詳細
40代女性 
頭全体に拡がる持続的な頭痛
頭痛外来を受診、「緊張型頭痛」と診断
鎮痛薬を処方され服用するも一時的に緩和されるも効果が低い
その他、マッサージなど民間療法を行うも改善せずに知人の紹介で来室

既往歴
歯列矯正(20年以上前)

身体的特徴
問診・全身検査を行い軟部組織(筋・筋膜)の過緊張を確認
特に左側の後頭部から首にかけて対側と比較して著しい筋緊張
呼吸も浅く胸郭の動きも悪い

施術内容
筋緊張性頭痛でお悩みの方の多くが交感神経系が優位になっています。このケースにおいては主訴となる頭痛の他に睡眠障害もありました。

骨盤から脊柱、後頭窩にかけて交感神経を抑制する手法を行うとともに内頚動脈、椎骨動脈の血液循環を改善させることを意識しながら施術を行いました。

初回施術後は頭痛がほぼ解消されていることを確認し、その後、計3回の施術で寛解となりました。現在はご本人の希望により月1の間隔でメンテナンスに来室されています。

解説
交感神経系が優位な状態は筋緊張、血管収縮、呼吸が浅くなるなどの生理学的変化が起こります。
本ケースにおいては過去の歯列矯正によって歯根膜(しこんまく)と呼ばれる膜組織を通じて頭部や頚部(首)にその緊張が派生していることが考えられました。

心臓から出た血液が重力に逆らって頭方へいきます。その血液の循環不全が頭痛に大きく関係していることが多い為、椎骨動脈と内頚動脈は頭痛の種類に関わらず確認するようにしています。

人の身体は膜組織で繋がっています。過去の外傷や治療が身体にストレスとして残存していることもあり、症状を引き起こすトリガーになることは珍しくありません。

Osteopathische Skizzen