変形性股関節症。「股関節が詰まる感じがする。」の訴えを症例からまとめてみました。

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股関節の詰まり。本当に股関節が詰まっているのでしょうか?

股関節痛。
整形外科にかかると「臼蓋形成不全」「変形性股関節症」「股関節唇損傷」など、レントゲンや MRI を始めとした画像診断で病名が決められます。

整形外科でリハビリをしても改善しない。
整骨院で電気治療やマッサージをしても変化が乏しい。
民間療法にかかっても症状の改善がみられない。

など、多くの人が悩んでお越しになります。

その中でよく聞く訴えとして「股関節を曲げるのがきつい」「股関節を曲げると詰まる感じがする」というのがあります。

症例から考える。股関節の詰まり。

変形性股関節症と診断されている H さん。
以前は歩くと沈む感じがありましたが、今は周りからも「だいぶ良くなったね!」と言われるようになったそうです。
でも、まだ長距離を歩くと少し違和感を感じるようなので、より安定するよう月1で調整をしています。

 

股関節を曲げると前側に少し痛みを感じます。
「股関節が詰まる」感覚があるようです。

検査したところ、気になるのは股関節ではなく骨盤でした。
骨盤を調整してみると左右差もなく「詰まる」感覚も消失しました。

軟骨も大事だけど・・・結果ではなく原因を探ってみる。

ほとんどの整形外科ではレントゲンで軟骨の有無、骨の変形について説明があります。
軟骨は関節を滑らかに動かすためには必要な組織です。
軟骨が消失すると骨変形に繋がることも容易に想像ができます。

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股関節は骨盤と大腿骨(ふとももの骨)が関節を構成しています。
見方を変えてみると骨盤の状態が不安定だと股関節も連動して不安定になります。

「骨盤の歪み」と言われることもありますが、歪みの定義が実はあいまいだったりします。
というより、生活の中で骨盤が歪むのは普通に考えられることなので 「歪み=悪」とはなりません。
歪んでいるなら歪んでいるなりに、部分だけではなく全体で、しっかり機能していれば問題は表出しにくいのです。

生活習慣・環境、食事、出産、妊娠、手術 etc…
骨盤の歪みにも色々な要因があげられます。
 つまり、歪みは「原因」ではなく「結果」ともいえます。

ちょっと話が脱線してしまいましたが、Hさんは変形性股関節症と診断されていますが、結果である「変形」や「歪み」よりも、もう少し突っ込んで原因を探ってみました。

骨盤の中身。股関節痛に関係していることが意外と多い。

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骨盤の中を見ると女性では前から「膀胱」「子宮」「直腸」の順で並んでいます。
この骨盤の中身。例えば、子宮は骨盤の外、仙骨(せんこつ)という骨に靭帯で繋がっています。

それだけではなく、逆立ちしてお腹のほうに中身がボンと落ちてこないのは「筋膜」という組織がそれぞれを包んでいるからです。この筋膜は骨にも繋がっているので、「骨盤の外(骨)と骨盤の中(内臓器)は繋がりをもっている」ともいえます。

子宮筋腫や卵巣のう腫をはじめとした婦人科系疾患では骨盤の中身が不安定な状態です。
そうすると、どうなるでしょう?
骨盤の外にも中の不安定な状態が派生して、骨盤の歪みを引き起こすことが考えられます。

また、骨盤の歪みに限らず、内臓器は筋肉と神経的な繋がりを持ちますので、婦人科系の疾患が関係して、お尻や股関節周りの筋肉がこる、なんてことは、ごくごく当たり前のように起こります。
ですので、筋肉をマッサージしても元に戻ってしまう、なんていう人は視点を変えてみる必要もあるでしょう。

また、婦人科系疾患がなくても閉経をむかえると周辺組織の弾力性が低下することもあるので、その影響が骨盤や股関節に何らかの症状として表出することも十分に考えられます。

股関節痛の症状を訴える人の性差をみると圧倒的に女性の方が多いです。
統計をとっていないので、あくまでも想像の域を超えませんが、女性に股関節痛が多いのは上記のような女性特有のからだのシステムに起因していると私は考えています。

股関節痛の原因は多岐に渡ります。手術だけが解決策ではありません。

人のからだは本当に奥が深いです。恐らく、人のからだ(システム)を知れば知るほど、そう感じてくるでしょう。

Hさんを検査して、骨盤、その中でも仙骨。そして骨盤内臓器を調整しました。
すると動画にあるように左右差なく股関節を曲げることができるようになります。

つまり、事実として軟骨がない(薄くなっている)、また、骨変形が見られたとしても、他の問題をクリアにすることで手術を選択しなくとも日常生活を普通に送れるようになる人は少なくありません。

最近の股関節の人工関節手術は術後良好な結果になることが多く、QOLが著しく低下している場合は、客観的にみても手術適応と考えられるケースも間違えなくあります。

ただ、手術は最終手段であって、手術以外にも、やれることは意外と多い。
そういう事実を認識するだけでも、暗い中に明るい光が見えてくるのではないでしょうか?