関節が外れることを「脱臼」と言います。

脱臼の手前、関節の位置関係がズレることを「亜脱臼」と言います。

臼蓋形成不全(寛骨臼形成不全)や変形性股関節症と診断された人に多いのが、この「亜脱臼」のタイプです。

亜脱臼は股関節(軟骨)への荷重負荷が変化し、関節軟骨の破壊にもつながります。

そして、臨床上、この問題を解決することが、症状改善の鍵になることが多いと感じています。

正常な関節には動きの「軸」と「支点」があります。

亜脱臼は軸が逸脱した状態です。この状態では関節が他方向に動かなくなります。そして、その動きを補うように骨盤や膝で、その問題を補正するようになります。

そのような状態で日常生活を送ると、次第に、

  •  脚の長さの左右差を感じる
  •  椅子から立ち上がるときに腰が伸びない
  •  パキパキ関節から音が鳴る
  •  患側の脚が常に重い感じがする
  •  生理のときに股関節周辺がひどく痛む
  •  仰向けで脚を伸ばすことができない
  •  脚が痺れる感じがする


など、問診で頻繁に耳にする上記症状を呈するようになります。

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「亜脱臼」は股関節に限ったことではなく、背骨や骨盤など、他の部位でも起こります。

激しく転倒する、また、交通事故など、強い外力が働いた時に亜脱臼になることもあれば、繰り返し外力が加わることによってなることもあります。

亜脱臼を呈していない軽度の股関節痛は(身体的には)筋肉や筋膜の問題だけですので、マッサージや運動療法などで改善することもあります。

しかしながら、この亜脱臼を呈している場合、筋肉をほぐしても、ある一定の時間で元に戻ってしまいますし、運動療法もやり方次第では、余計痛みを強くしてしまうことになり兼ねません。

想像してみてください。

釘が刺さっていてパンクした自転車が目の前にあります。

出発前に空気を入れます。そして、30分の道のり、その自転車をバランスが崩れないように一生懸命漕ぎます。

なんとか到着した時にはタイヤの空気が抜け、そして、バランスを保っていたため、腕がパンパンに張ってしまいました

筋肉をほぐしても一時的にしか痛みが軽減しない。これはパンクしたタイヤに空気を入れるようなものです。

また、(状態に適していない)リハビリ運動をすると余計痛みが強くなる。これは、タイヤを交換せずに一生懸命バランスを保って運転しているようなものでもあります。

股関節は関節包、靭帯、筋膜、筋肉など、何層にも重なっているので、そう簡単には脱臼することはありません。

しかしながら、FEM と呼ばれる数値解析手法においても、荷重負荷と関節の運動変化の因果関係が示されているように、関節の位置関係は保存療法では重要な要素になってきます。

つまり、保存療法において、この関節の位置関係を常に意識することが症状改善の鍵になるのです。


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