変形性股関節症、臼蓋形成不全(寛骨臼形成不全)、股関節唇損傷と診断される人の多くは女性です。

人工関節学会の統計では、初回手術の 82% が女性となっています。

当治療室では股関節痛が主訴で来室する 90% 近くが女性ですので、この数値には納得するところがあります。

それにしても、これほどまでに女性に多い理由とは何でしょうか?

股関節痛にが女性に多い理由。

それは、女性の「構造」や「機能」が深く関係しています。

生理、妊娠、出産、閉経など、男性にはない、女性固有のからだの機能があります。

そして、そこに「ホルモン」という、からだを正常に保つ「工場」のようなシステムが関係しています。

変形性股関節症で原因が明確に分からないケース。

年齢的なところでみると、閉経前後、ホルモンバランスが変化するタイミングで股関節に痛みや違和感を覚えたという人が多いように感じます。

エストロゲン、プロゲステロン、妊娠中に分泌されるリラキシンなど、女性に深く関係しているホルモンがいくつかあります。

食事や精神的なストレスなどの因子により、これらホルモンが正常なバランスを維持することが難しくなることがあります。

すると、そのホルモンバランスの不調和が、骨粗鬆症や骨変形、骨格の歪みなど、構造的な変化に繋がります。

過去に数例ですが、施術を進めていく中で自然妊娠をされたケースがありました。

その内、1人は不妊治療を検討しているという方でしたが、数回の施術後、妊娠の報告をいただきました。

これは、股関節痛において、ほとんどのケースで見られる「骨盤周りの不安定性」が関係しています。

このケースの場合は、股関節自体に問題を感じなかったため、骨盤を中心に調和を取るようにバランスを取っていました。

からだの構造的な変化は、機能にもいい影響があります。

バランスを取り戻したことの結果として、妊娠する環境に身体が整ったのではないかと思っています。

子宮内膜症、子宮筋腫、チョコレート嚢腫など、婦人科系の疾患と股関節痛の関係もあります。

解剖学的にも股関節と卵巣や子宮などの女性生殖器は繋がりを持ちますので、股関節とセットで考えた方が合理的です。

図:プロメテウス 解剖学アトラス

 

上記画像にあるように、婦人科系の疾患以外にも、膀胱や腎臓の異常による「関連痛」として、あたかも股関節に痛みが生じているように感じることがあります。

残念なことに、そのような疾患は内科や婦人科で。股関節痛は整形外科で。と、部位ごとに棲み分けされてしまいます。

そして、診る人によって、その問題が「骨の問題」になったり、「卵巣の問題」になったり、「筋肉の問題」になったりします。

図 : Osteopathische Skizzen

このように、臨床でいろいろなケースを経験していると、一般的に言われる、「軟骨」や「骨変形」だけで、股関節疾患を語るのには限界があるように感じます。

そして、「股関節痛の原因は○○」と断言していたり、「90%は治る」的なタイトルの本を目にすると、一種のマーケティング商法のように感じ、何だか複雑な気持ちになったりもします。


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