DLPFCとパーキンソン病の関係

パーキンソン病は主に黒質のドーパミン神経細胞の変性によって発症する神経変性疾患ですが、DLPFC との関連も近年注目されています。

DLPFCの機能低下とパーキンソン病

パーキンソン病患者では運動症状だけでなく、以下のような認知機能の低下が見られることが多く、その背景に DLPFC の機能低下が関与していると考えられています。

  • 実行機能の低下：計画を立てる能力や問題解決能力が低下する。
  • 注意障害：集中力が続かず、注意がそれやすくなる。
  • ワーキングメモリの低下：短期的な情報処理能力が低下する。

これらの認知機能の障害は DLPFC と脳の基底核の機能異常によるものと考察され、その要因としてドーパミンの減少が指摘されています。

DLPFC の活性化とパーキンソン病治療の可能性

最近の研究では、DLPFC を刺激することでパーキンソン病の認知機能障害を改善できる可能性が示唆されています。

  • 経頭蓋直流刺激（tDCS）：DLPFCに微弱な電流を流すことで神経活動を活性化。
  • 反復経頭蓋磁気刺激（rTMS）：磁場を用いてDLPFCの神経回路を刺激し、認知機能を改善。
  • 運動療法：運動により DLPFC の活動が促進され認知機能の維持につながる。

まとめ

DLPFC は認知機能の中心的な役割を担う脳領域であり慢性炎症やパーキンソン病とも深い関わりがあります。炎症の抑制や DLPFC の活性化を意識した生活習慣を取り入れることで認知機能の維持やパーキンソン病の症状軽減に役立つ可能性があります。

次回の記事では DLPFCへの頭部振動刺激の可能性について詳しく解説します。