はじめに
鬱(うつ)をはじめとする自律神経系の不調に悩む人が増えています。コロナ禍に入り、わたしの治療室にも相談に来られる人が多くなっています。
ひとえに「うつ病」と言っても、その原因、身体に生じるサインは多種多様です。肩こり、腰痛など筋肉に症状が出ることもあれば、動悸、胃痛、便秘など内臓に関連した症状が表出することもあります。
これら各症状も問題ですが、その問題の本質として生活の質が低下しまうことが挙げられるのではないでしょうか。
買い物に行くことができない。旅行やスポーツなど趣味を楽しむことができない。仕事や学業に集中できない。など、日常生活に制限がでてしまうことが大きな問題になってきます。
薬以外の解決方法を提案します
うつを始めとした自律神経系のトラブルにおける治療は抗うつ薬などを使用した投薬治療になることが現代医学ではスタンダードです。場合によってカウンセリングなどを併用することもありますが改善するまでに時間を要することが少なくありません。
自律神経系のトラブルを改善させるために投薬治療以外に有効な解決手段がないのかと言えば、そうではありません。からだの機能や構造を知り、解剖学、生理学的な観点からアプローチしていけば改善するスピードがグンと高くなります。
わたしのところでは手を使用した徒手療法で症状改善のサポートをしています。とは言っても筋肉をほぐすようなマッサージ的なアプローチはせずに刺激の少ない手法で不調の鍵となる部分にアプローチをしています。
バランスを整える神経に目を向ける
自律神経系の症状を改善させるためには神経に目を向けることが欠かせません。うつ病を始めとした自律神経系のトラブル一言で簡単に説明するとすれば脳神経系のトラブルです。
「自律神経」という言葉を耳にしたことはあると思います。そして、自律神経は「交感神経(系)」と「副交感神経(系)」に分類されます。この交感神経と副交感神経のバランスが崩れることが問題の 1つです。
ここまでの説明は珍しいものではなく何となく知っている人も多いように思います。しかしながら、「交感神経と副交感神経のバランスを整えて・・・」だけでは症状改善に繋がりませんので更に一歩踏み込む必要があります。
迷走神経の機能を向上させることが必須
副交感神経は神経の呼称ではなく総称です。副交感神経に属する神経があり、その神経が心身の健康と強く相関しています。その神経の名称が迷走(めいそう)神経です。
副交感神経系で大きなウェートを占める迷走神経が症状改善への鍵になります。神経が興奮した時に(からだが緊張した時に)ブレーキをかける。社会交流を促進させる。免疫をコントロールするなど迷走神経には多くの働きがあります。
逆に言えば迷走神経が働かなくなると「心身が常に緊張してしまう」、「感情のコントロールが難しくなる」、「表情が固くなる(笑顔が減る)」「免疫力が低下する」など、一般的なうつ症状に関係するような状態になります。
更に迷走神経は耳鼻咽喉に深く関わる神経でもあるので耳鳴り、めまいなど耳鼻咽喉系の不調にも関係してきます。
日々、多種多様な不調に悩む人を診させていただく中で迷走神経の機能を向上させることで症状が改善していくケースを多く経験しています。
森を見てから木を
頭痛は頭痛外来、うつは心療内科、腰痛は整形外科・・・というような感じで症状に応じて受診する病院や科が異なるのが現代医学の特徴です。そして痛みには鎮痛薬、うつには抗うつ薬・・・というように薬の量が蓄積してしまう傾向があります。
例に挙げた頭痛、うつ、腰痛はそれぞれ別のものではなく相互関係があります。その相互関係に関与しているのが先にも挙げた迷走神経です。
「木を見て森を見ず」とならないように、まずは全体を見てから、それぞれの繋がりを確認することが必要だと感じています。
迷走神経に働きかける施術
迷走神経の機能向上がうつを始めとした自律神経系の不調の改善には欠かせません。
迷走神経は延髄(えんずい)と呼ばれる中枢神経から胸部や腹部にある内臓器にも神経を送ります。
少し具体的に説明すると施術では延髄に血液を送る動脈にアプローチします。延髄は椎骨(ついこつ)動脈から血液を供給しています。例えば、この動脈の血流が悪くなると耳鼻咽喉系の不調でもある回転性のめまいが起こることもあります。
回転性めまいに限らず、椎骨動脈は自律神経の中枢でもある脳神経全体に関係します。つまるところ、自律神経系の不調を改善するためにはスルーすることができないポイントでもあります。
3つの特徴
人の身体に関する仕事を始めて15年近く経ちます。そして現在の治療室を構えて12年目を迎えることができました。
世の中には多種多様な手法、考えがあります。同じ症状に対しても、それぞれが個性を打ち出してアプローチしています。多くの同業者がいる中で、私の特徴が分かるように他との違いを 3つ挙げてみます。
1, 専門的な教育を受けている国家資格取得者が施術
国家資格(柔道整復師)を取得するために専門的な教育を 3年間受けています。その後、整形外科や整骨院で臨床経験を積み、開業してから12年経ちます。また、自律神経に関係する頭部や頚部(首)は学校教育や臨床経験だけでは補いきれない専門性の高い領域になりますので国内や海外の講習に参加して理解を深めています。
2, 神経にアプローチするため無痛
施術は痛みを全く伴いません。痛い=効いてると思われる方もいますが、痛いと感じる施術は解剖学・生理学的な観点からも身体に負担を掛けるリスクが高い手法です。採用している技術は神経系にアプローチしているためリラックスして施術を受けていただけると思います。老若男女、世代に関係なく喜んでいただいています。
3, 無理なく通える施術間隔
神経にアプローチするため、その場で劇的にということを目的としていません。施術間隔を一定期間(2週間前後)あけて、その間に生理学的な反応で少しずつ心身が整っていくことを重視しています。症状の回復とともに施術間隔を徐々にあけていき社会復帰、生活の質を向上させていくことを目的としています。
施術例を通して
googleの口コミに投稿くださった momoさんの例を紹介します。
症状に関しては細かく投稿してくださったので割愛しますが迷走神経ももちろんのこと目に関係する動脈の循環低下も触診で感じました。
momoさんの場合、初診から10日後に再診、その後 2週間に1回のペースで、回復とともに3週間、1か月と施術間隔をあけていきました。
原因究明よりも結果に対して何ができるか・・
自律神経系のトラブルの原因は多種多様です。出生児の影響、歯の矯正、脳震盪、トラウマ的な出来事など不調の要因を挙げればキリがありません。
その原因を究明することも必要かも知れませんが、それ以上に傾いた心身の状態を正常に戻すために何ができるか、何が必要かを考える方が大事だと個人的に感じています。
コップに水が常になみなみと注がれている状態をイネージしてみてください。その状態で少しの刺激(ストレス)が加わると水が溢れてしまいます。
溢れた水が症状だと仮定した場合、まずはコップに注がれている水を半分ぐらいに減らしてあげることで同じ量の刺激(ストレス)でも症状として表出するリスクは低下します。その半分に減らす行為が当治療室での施術だとすればイメージがつきやすいかも知れません。
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。世の中には多種多様なアプローチを行っているところがあります。
他の民間療法で定期的にメンテナンスを受けていて一進一退を繰り返している、状態が芳しくないという方も多く相談に来られていますので遠慮なくお越し頂ければと思います。
今まで自律神経系のトラブルに悩む方々とたくさん出会い、施術を通して多くのことを学ばせて頂きました。これまでの経験を糧に確かなものを1人でも必要な方に届けることができればと考えております。
[btn class=”rich_red”]予約はこちらから[/btn]