股関節痛の治療法の中でも骨切り術(RAO)が選択肢の一つとして挙げられることがあります。しかしながリスクの高い術式であり、基本的にお勧めすることができません。今回は骨切り術のリスクについて詳しく解説します。

骨切り術とは?

骨切り術とは股関節の構造を改善するために骨を切って再配置する手術です。特に若年者で股関節の変形がある場合に用いられます。この手術は股関節の機能を改善し痛みを軽減することを目的としています。

骨切り術を勧めない理由

  1. 侵襲性の高さ
    骨切り術は大掛かりな手術であり身体に大きな負担をかけます。手術後の回復期間も長くリハビリが必要です。このため高齢者や他の健康問題を抱える患者には適していません。
  2. リスクと合併症
    手術には感染、血栓、神経損傷などのリスクがあります。特に骨切り術は複雑な手術であるため、これらのリスクが高くなる傾向があります。
  3. 成功率の問題
    骨切り術の成功率は患者の状態や手術の技術によって異なります。一部の患者では期待したほどの痛みの軽減や機能改善が見られない場合があります。
  4. 非手術的治療法の有効性
    骨切り術に頼る前に非手術的な治療法を試みることが重要です。物理療法、運動療法、薬物療法など、多くの非手術的治療法が存在し、これらが効果的である場合が多いです。
  5. 手術後の生活の質
    手術後の生活の質が必ずしも向上するわけではありません。長期的な痛みや不快感、運動制限などが残る可能性があります。特に高齢者では手術後の生活の質が低下するリスクがあります。

まとめ

骨切り術は侵襲性の高さやリスク、成功率の問題を考慮すると非手術的な治療法を優先することが多くの患者にとって最適な選択肢となります。自分に合った治療法を見つけるためには、医師をはじめとした専門家としっかり相談し、納得のいく決定をすることが重要です。