近年、”コロナ鬱(うつ)” というワードを耳や目にするようになってきました。社会環境が大きく変化したことなどが要因となり自律神経系に不調をきたす方も増えてきているようにも感じています。
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セロトニンという神経伝達物質の分泌異常がうつ症状を引き起こす要因となっている、ということが広く知れ渡っています。この考えのもと心療内科を中心に SSRI (選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれるセロトニンを増やす抗うつ薬が処方されることがあります。
SSRI については副作用や生化学的な反応など以前よりその効果に懐疑的ではありましたが Nature Molecular Psychiatry に掲載された共同研究で興味深い結果が発表されましたので紹介します。
結論から書くと、この研究で、うつ病がセロトニンレベルの低下に関連している、またはそれによって引き起こされれていると言える有力な証拠がないことが明らかにされました。
研究チームは「一般的にうつ病がセロトニンやその他化学物質の異常の結果であることが説得力を持って証明されていると広く信じられ、それが心的状態の理解を形成している。そして、うつ病が引き起こす結果に対して悲観的な見通しと心的状態の自己調節の可能性に対して否定的な期待をもたらすことに繋がっている」と結論付けています。
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今回の研究に限らず、今まで常識として信じられてきた事が覆るなんてことは決して珍しくないように思います。
処方された薬を疑いもなく服用し続けるのか、または、身体の反応に意識を向けて薬の必要性の有無を判断するのか、最終的には個々人の判断になってきます。そしてその判断がその後の健康に大きく関係してきます。
セロトニン症候群 なんてなったら辛いですからね。薬のリスクをしっかりと理解した上で何が適切か身体の声に耳を傾けてあげてくださいね。